これは2001年に書いた「故郷の春」と同じ本に収録される予定の小説です。タイトルと歌詞の引用を快く承諾してくださった吉田美和さんに最高級の感謝を述べるとともに、この小説は、吉田美和さんの作った歌「眼鏡越しの空」がなければこの世に生まれなかったであろう、ということを断言します。テーマは、正しく歌の歌詞の中にある「つよくてきれいなあなたの名前」です。主人公の名前は、崔奈蘭といいます。
　「ウェルカム・ホーム」前後編のあいだに、まったく違うテーマの小説が掲載された雑誌が出る、という事態になってしまったのは、例の「奇癖」（詳しくは2003年10月27日の表日記を参照してください）の所以です。
鷺沢萠