これも、脱稿したのは「ついこないだ」という気がする。
　私としては非常に思い入れの強い作品集です。
　書いていたのは９６年から９７年にかけての冬で、新潮社のそばにある「新潮クラブ」という作家を缶詰にするための建物にいました。ほとんど「住んでる」というような状態で、おかげで矢来町近辺の飲食店に詳しくなりました。古い建物だから、すごく寒かったんだよね。長いことお風呂に入らずにいた、というのはこのころのことですね。

（2000.2.7 Sagisawa）